小津安二郎、木下恵介と同じく、松竹に所属する山田は、2人の名匠がそうであったように、日本の「家(ファミリー)」にこだわり続けた。小津安二郎の「無常無念」、木下の「感傷憂鬱」と一線を画し、山田が描いた「寅次郎」一家は幸福で、楽しい家庭である。
『男はつらいよ』の演劇化処理を除き、山田は過去30年に渡り、作品を通して日本の経済成長とともに生まれた「物質主義」や「スピード化生活」などが人間関係に及ぼす影響を追究してきた。『家族』、『息子』はその代表作。また山田は日本の教育制度にも深い関心を示し、彼の教育観、人生観を表現した。今回はそのシリーズ初編『学校』を放映することとなった。

 
家族
1970/日本Japan/106min/In Japanese with English subtitle日語對白,英文字幕
出演:倍賞千惠子、井川比佐志、笠智眾
Cast: Baisho Chieko, Igawa Hisashi, Ryu Chishu

高度経済成長期の日本を背景に、貧しい一家が開拓村へ移り住むため長崎から遙か北海道へ向かう長い旅の道のりを描いた異色ロードムービー。船や電車を乗り継いで行くその道中で、様々なトラブルや不幸に見舞われながらも家族の絆を拠り所に力強く生きていく姿が胸に響く感動作。山田洋次が5年間温めつづけてきた構想を、日本列島縦断3000千キロのロケと1年間という時間をかけて完成した、話題の超大作。

6/8 (Sat) / 7:40pm / bc
14/8 (Sun) / 2:00pm / bc


 
息子
1991/日本Japan/121min/In Japanese with English subtitle日語對白,英文字幕
出演:三國連太郎、永瀨正敏、和久井映見
Cast: Mikuni Rentaro, Nagase Masatoshi, Wakui Emi
日本電影學院獎最佳影片、男主角、男配角、女主角、新人獎
1991年電影旬報十大電影第一位
日本アカデミー賞 作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、新人俳優賞
1991年キネマ旬報賞ベストテン第1位
Best Film, Best Actor and Best Supporting Actor, Best Actress, Best Supporting Actress & Best New Talent by Japan Academy Award
No. 1 of the Ten Best Films of the Year 1991, by Kinema Junpo Magazine

椎名誠原作『倉庫作業員』をもとにした映画化で、母の一回忌と息子の帰郷、東京の鉄工場で働く息子の聾唖の娘への恋、そして父の上京の三部構成。田舎に住む父親と都会でフリーター生活を送る息子との対立と和解を通して、家族の真の幸福を描くドラマ。三国連太郎扮する父が「お富さん」を歌うラストシーンは圧巻。

6/8 (Sat) / 9:40pm / bc
14/8 (Sun) / 5:15pm / bc


 
學校
1993/日本Japan/128min/In Japanese with English subtitle日語對白,英文字幕
出演:西田敏行、竹下景子、荻原聖人、田中邦衛
Cast: Nishida Toshiyuki, Takeshita Keito, Hagiwara Masato, Tanaka Kunie

東京・下町にある夜間中学校を舞台に、様々な境遇を持つ生徒たちと先生との交流を通して人間の幸福とは何かを問いかける感動作。教育の喜びというテーマを夜間中学校に見い出した山田洋次が、15年間企画を温めていた念願の作品。西田敏行は山田作品初登場、以後計4作でコンビを組んだ。

14/8 (Sun) / 7:25pm / bc
17/8 (Wed) / 9:40pm / bc